スキャルピングといえば、1分足をメイン足にしてトレードしている人も多いでしょう。とにかくスキャルピングは短時間勝負だ、逆行されないうちに利確する必要がある、このような理由からでしょう。

しかしこのような発想になると、1分足以外には使えなくなってしまいます。スキャルピングは短い時間足であればあるほど損失がおさえられ、逆行する前に利確すれば、利益がサクサク取れると思っていませんか?

なんとか逆行しない前に、また1ミリの損失も出さないように、利益をかすめ取りたい!このような思いが強ければ強いほど、短い時間足を選択しがちになります。この心理状態をプロスペクト理論で説明がつきますが、このような状態でトレードをしても、中々うまくいかない可能性が高いでしょう。

損失を出したくないからスキャルピングをやっているんだ!という考えをお持ちの人もいるでしょう。しかし、トレードをある程度実践している人なら、もうお分かりかと思いますが、どれだけ損失を出さないようにトレードをしても、思惑とは裏腹に損失は出てしまいます。皮肉にも損失を出さないようにしようとすればするほど、出てしまうものなのです。

つまり損失が出てしまうことは、わたしたちにはコントロールできないのです。

損失幅をコントロールして、リスクをおさえることはできますが、1トレードをするごとに、損失が出るか、利益が出るかはコントロールができません。損失のことばかり気にしていると、最終的にはトレード自体ができなくなってしまうでしょう。

そもそも、損失が出るか、利益が出るかがコントロールできれば、負ける人間がいなくなり、FX取引自体が成り立たなくなります。そのため、もし損失を出さないように1分足を選んでいるとするならば、それは間違った視点から1分足を選んでいるかも知れません。

FXはある程度、損失を受け入れる体制を整えないと中々うまくいきません。ここではうまくいくスキャルピングの手法について解説いたします。

スキャルピングFX手法!そもそもなぜ1分足を選ぶのか?

1分足をメイントレード足に選ぶ理由は何でしょうか?選ぶ理由は人それぞれですが、おおむね以下の理由が挙げられるでしょう。

・1分足だと一番サクサク利益が取れそう
・ほんの僅かな時間でも逆行するのが許せないから
・逆行する前に何とか利益で終わらせたいから
・利益率が他の時間足に比べて一番高そう
・超短時間で2~3PIPSをかすめ取りたいから

などが主な理由として挙げられるでしょう。逆に、それ以外に1分足をメインのトレード足にする理由が他にないからです。もっともこれは「メイン」のトレード足に選ぶ理由として、です。エントリータイミングを見計らうため、などサブで使用する理由としてではありません。

なぜ、このような質問をするのか?といいますと「1分足でのトレードはあまりおすすめする理由がない」からです。それでは、なぜ1分足をメイントレード足として、トレードすることはおすすめできないのでしょうか。

スキャルピングFX手法!1分足はおすすめしない理由

スキャルピングは、よく難しいといわれます。それは反射神経や熟練ならではの感覚が必要といわれているからです。そして、そのような感覚が必要になるのは、他でもない1分足でトレードをするからです。

1分足でのトレードは、わずか60秒の間に下記の動作が必要になります。

・エントリーシグナル確認
・インジケーター確認
・エントリーロット数確認
・エントリー判断
・ストップや利確のセッティング

これだけのことをおこなわなければならないのです。

しかし、60秒というのは最大値です。実際には、これより遥かに短い十数秒ぐらいでおこなう必要があります。

また、それに加えこれだけの作業を十数秒というわずかな時間で実行するとなると、当然ヒューマンエラーが出てきます。更に、繰り返し何十回、何百回とおこなっていると、次第にパニック状態になってきて、正常な判断がくだせなくなります。それでも更に繰り返し続けていると、感情的にもなり、ルール無視のリベンジトレードへと繋がります。

よくよく考えてみれば、そういう心理状態になるのは、あたりまえといえばあたりまえなのです。正常な心理状態を、わざわざ自分から壊しにいっているわけです。

そのようなことまでして、1分足でトレードをする意味があるのか?ということです。

利益に固執している状態=1分足トレード、とも受け取れます。しかし残念なことに、それとは裏腹に1分足スキャルピングはよく労多くして益少なしといわれます。正式には「労多くして功少なし」ですが、FXではそのように、揶揄されたものだと思われます。皮肉にも利益を追求するための1分足トレードが、実は逆のことをやっていたということです。

また、FXは対数の法則が適用できるといわれているように、ある程度の情報量が勝率アップには必要不可欠です。つまり時間足が長くなればなるほど情報量が多くなっていき、的確な相場分析ができる、という考え方です。

そのような観点から見ても、1分足スキャルピングはたったの60秒しか情報量がないわけです。つまり情報がほとんど、あってないようなものなので、反射神経と感覚でそれを補うしかないのです。

しかし殆どの場合、このような感覚的トレードを実行しても、うまくいく可能性はとても低く、損切り貧乏になるか、コツコツドカンの一発で利益を飛ばすことになるのです。

スキャルピングFX手法! 1分足でトレードすることのデメリット

1分足でスキャルピングを実践する場合、1分足より上の時間足でトレードをする場合では、通常気にならない部分まで更に細かく注意しなければならないことがあります。おおむね5分足以上であれば気にする必要のない部分ですが、1分足では大きくトレードに影響してきます。それが以下の項目。

・必要以上に高いボラティリティが必要
・多すぎるトレード回数
・極度なストレス
・資金管理やルールに従うのが極めて難しい

必要以上に高いボラティリティが必要

1分足でスキャルピングを行う場合は、通常の相場状況ではあまり出ないくらいの高ボラティリティが必要になってきます。つまり、普段の静かなマーケット状況では、1分足でのトレードはとても困難と言えます。ボラティリティが十分に出ない相場でのトレードは、ほとんど場合で損切りになる可能性が高いといえます。

多すぎるトレード回数

日本ではスキャルピングというと、多くても10回、20回ぐらいのトレードをイメージします。しかしFXの本場、欧米などのスキャルパーといわれる人たちは、1日に何百回とトレードをしています。つまり取ったり取られたりで、それぐらいのトレード回数を重ねないと、利益の方が勝らない、ということになります。

極度なストレス

トレードは増えれば増えるほど、ストレスは過大になっていきます。極度なストレスは、メンタルにも健康状態にも悪影響を及ぼすことは、すでに知られています。特に1分足でトレードする場合、レバレッジやエントリーロット数も半端な設定値ではないことぐらいは容易に想像がつきます。一回の損切りで数万、数十万を切るトレード、あなたは何回ぐらい繰り返すことができますか?

資金管理やルールに従うのが極めて難しい

1分足での反射神経や感覚に頼ったトレードは、とかくコツコツドカンをやってしまいがちになります。3PIPSを立て続けに5回取ったとしても、1回のトレードで30PIPSの損失を出した、ということは頻繁にやってしまいます。そのようなことが続くと、徐々にルールを無視するようになってきます。その結果、次のようなことを起こすことにも繋がります。

・あまりにも負けが続いたので、普段ルール上にはないナンピンをとっさにして損失にならないようにする
・せっかくの含み益、あと少しで利確だったのに、含み損に転じてしまったのでなぜか損切りを広げて、また含み益になるのを期待する

このようなことを無意識のうちにおこなってしまいます。

次第に当初自分で決めたトレードプランに従うのが、難しい心理状態になっていきます。

スキャルピングFX手法!1分足より5分足の方がおすすめ!

1分足のスキャルピングはとてもせわしく、また反射神経や特殊な感覚など、通常のトレードにはあまり必要のない特別な才能が必要になります。また情報量も非常に少ないため、統計を無視した投機的な要素がとても高くなります。

しかし、トレード足を1分足から5分足に落とすだけで、1分足のときとは比べ物にならないぐらい楽に、トレードができるようになります。ストレスも軽減され、トレード回数は劇的に減ります。そしてエントリーを考える時間も十分にできます。

そうしたこころの余裕ができることにより、ルールにもしっかり意識を持って従うことができるようになります。1分足を5分足に変えるだけで、自分にはハードルが高いと思っていたスキャルピングも、より簡単に実践することができるようになるのです。

スキャルピングFX手法は1分足を使用してはだめな理由とは?まとめ

スキャルピングのメイントレード足を、1分足から5分足に変えるだけで、ストレスが極端に減り、またトレード回数も少なくなります。トレード回数は減りますが、ターゲット幅は大きくなりますので、結果的に1分足トレードよりも利益率が高くなる可能性があります。

結果的に長期間にわたって、利益を出し続けることにつながるのです。もし、1分足スキャルピングで思うように利益が出せない場合は、5分足に時間足を落としてみることをおすすめします。

5分足でのトレードを勉強するのでしたら恋スキャがとってもおすすめ!