相場におけるプライスアクション(値動き)の原理原則と言われるのが「ダウ理論」です。

6つの基本法則からなり、相場におけるテクニカル分析を行う上では無視できない理論です。プライスアクションはこのダウ理論を理解することで読めるようになります。

ダウ理論の提唱者、チャールズ・ヘンリー・ダウが亡くなってから、2021年現在でおよそ100年以上が経過していますが、いまだに相場におけるテクニカル分析の基本理論として根付いているのです。

つまり100年以上も前から相場の本質は変わっていないことが分かります。

こちらでは相場におけるテクニカル分析の基本である「ダウ理論」について解説しております。

ダウ理論とは?

ダウ理論とはアメリカの証券アナリストであった「チャールズ・ヘンリー・ダウ」が提唱した相場におけるプライスアクションの基本理論です。

ニューヨーク証券取引所で記者として活動し、様々な取材を経験。相場に関する記事を執筆していく中で「株価は全ての事象を織り込む」という現在の「ダウ理論」にいきついたとされています。

ダウ理論とはどのような理論なのか?

ダウ理論は主に6つの基本法則から成り立っています。これらは全て相場におけるプライスアクションの基本法則です。

  1. 平均はすべての事象を織り込む
  2. トレンドには3種類ある
  3. 主要トレンドは3段階からなる
  4. 平均は相互に確認されなければならない
  5. トレンドは出来高でも確認されなければならない
  6. トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する

相場でのプライスアクションはこれらが基本となっています。

ダウ理論1.平均はすべての事象を織り込む

「平均はすべての事象を織り込む」とは、需給に関するあらゆる事象は「市場価格に織り込まれる」ということです。

分かりやすく説明すると、ファンダメンタルズなどのその国の経済状況や各企業の業績、有事などの国際情勢、天変地異、予測不能なあらゆるできごとまで「すべてはFXチャート上に価格として反映される」ということです。

つまりファンダメンタルズなどを読み解かなくてもFXチャートを分析すれば、視覚的にプライスアクションが読めることになります。

ダウ理論2.トレンドには3種類ある

ダウ理論はトレンドを重要視しており、そのトレンドには3つあると提唱しています。

3つのトレンドはすべて連動しており、主要トレンドから1つ下の二次トレンド、二次トレンドから1つ下の小トレンドは、それぞれ1つ上のトレンドの調整局面としてとらえられています。

主要トレンド

主要トレンドは1年以上から数年続く長期的なトレンドのことです。

二次トレンド

二次トレンドは3週間から3ヶ月間程度続く中期的なトレンドのことです。

小トレンド

小トレンドは3週間未満の短期的なトレンドのことです。

ダウ理論3.主要トレンドは3段階からなる

主要トレンドは3段階に分けられます。それぞれ投資家がどのようなタイミングで売買するのかが関係しています。

先行期

主要トレンドの第1段階が先行期です。すでに、値が底値圏まで落ちていると判断した投資家による買いが入る段階です。悪材料が出尽くしたと判断した投資家が、底値買いをはじめます。

追随期

主要トレンドの第2段階が追随期です。底値圏での買いが増えてくると、徐々に上昇方向へトレンドが出はじめます。トレンドが出ている状況を追随者が確認し、更に買いを入れています。

利食い期

主要トレンドの第3段階が利食い期です。トレンドの最終段階で、徐々に上昇値幅が衰えてきます。第1段階の底値圏で買った先行期の投資家が次々に利益確定していきます。

ダウ理論4.平均は相互に確認されなければならない

例えば、FXチャート上に複数のテクニカル指標を表示させていた場合、それらがシグナルを発したときには「全て同じトレンド方向を示していなければトレンドとしてみることはできない」ということです。

ダウ理論5.トレンドは出来高でも確認されなければならない

トレンドが出ていると判断するには、出来高も伴っていなければトレンドとして判断はできないということです。

例えば、上昇トレンドが発生するには多くの買いが入らなければならないため、必然的に出来高も上がるはずです。

ダウ理論では「大多数の投資家は主要トレンドに従って取引をするため、出来高にも反映する」とされています。

ダウ理論6.トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する

ダウ理論では、トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続するとされています。

明確な転換シグナルとは、上昇トレンドであった場合は直近安値を下回る、下降トレンドであった場合は直近高値を上回る、ということです。

トレンドの定義は、直近の高値を更新しながら更に高値をつけていく、直近安値を更新しながら更に安値を付けていく、とされています。

このトレンドの定義が崩れたときが、転換シグナル発生になり得るということです。

ダウ理論とは?FXでもダウ理論は重要です!まとめ

ダウ理論は100年以上も前に発表された理論にも関わらず、現在でもテクニカル分析理論の基本となっています。

極論ダウ理論さえおさえておけば、それだけで根拠のある理に適ったトレードができてしまいます。

ダウ理論だけで相場分析ができるようになれば最適です。